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勾配ドメインによる画像補正

画像のフィルタ処理や加工処理は、一般的には画素周囲の輝度情報や画像全体の周波数応答の情報を利用して行われます。これらの処理によりノイズの除去や画像のエッジ強調などの効果が得られます。
HALCON 11に新しく追加された「勾配ドメイン」による画像処理では、輝度変化の勾配という全く新しい考え方による画像補正が可能になりました。本号ではこの勾配ドメインを活用した2つのソリューションを紹介します。


  勾配ドメイン活用テクニック1: HDR画像生成

基板のような反射率の異なるコンポーネントが混在する対象物を撮影する場合、ハレーションや光量不足により対象物のテクスチャ情報が損なわれることがあります。この場合、露光時間を切り替えた複数回の撮影を行うことでそれぞれの情報を取得する事が可能になります。
勾配ドメインを活用することで、この露光時間を切り替えた画像から、それぞれのテクスチャ情報を持ったHDR(ハイダイナミックレンジ)画像を生成する事が可能です。それぞれの露光時間の画像を勾配画像へ変換した後、その勾配画像の情報を組み合わせ、再度グレースケール画像へ変換することでそれぞれの露光時間のテクスチャ情報を持った画像を生成できます。


 

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  勾配ドメイン活用テクニック2: モザイク画像の境界除去

複数の画像から1枚の大きな画像を生成するモザイク処理は、高解像度の画像を撮影する1つのテクニックです。しかしながら、照明の不均一性やレンズの周辺光量の低下により、モザイク後の境界に輝度の不一致が発生する事があります。このような画像に対しても、勾配ドメインが有効に活用できます。
モザイク処理による画像に対し、それぞれX方向とY方向の微分フィルタをかけると、画像貼り合わせの境界に大きな値が得られます。これらをそれぞれ0に上書きし、更にそれらの画像から画像を再生成することで、この境界の輝度変化の影響を完全になくした画像を生成できます。


 

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