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マシンビジョン構築ツール

HALCON 8.0新機能

待望のHALCON最新バージョン8.0が2007年7月にリリースされました。今回のバージョンアップでは、従来までのバージョンアップと比較して飛躍的な進歩を遂げることができました。半導体や電子部品を代表とする様々な分野から頂戴した難解な技術要求を、的確にHALCON 8.0へと実装しました。世界最高性能を誇る画像処理ライブラリHALCONは、3次元マッチングなどの斬新な新機能と共に、さらなるマシンビジョンテクノロジーの進展に貢献します。ここではHALCON 8.0でサポートされた新機能をダイジェストにてご紹介します。

統合開発環境HDevelopの一新

画像処理開発の効率を格段に向上させる統合開発環境HDevelopは、HALCON固有の機能として皆様に広くご活用いただいていました。 そのHDevelopも数多くの機能要求をいただいており、それらを全て満足させるべくHDevelop自体をゼロから再開発しました。数々の 解析ツール、デバッグ機能、表示機能などが盛り込まれ、言語も日本語を含む10ヶ国語以上に対応しました。また、プログラミング をグラフィカルに支援する「アシスタント」機能も新たにサポートしました。アシスタントのナビゲータ画面に従って処理要求を グラフィカルに指定するだけで、プログラミングを必要とせずに画像処理を構築することができます。


3次元パターンマッチング

ロボット産業におけるビンピッキングのアプリケーションを代表して求められる、3次元位置・姿勢の取得を1台のカメラで実現する機能が3次元パターンマッチングです。3次元CADモデル(DXF形式)を準備すれば、HALCONが自動的に各位置・姿勢における2次元投影の形状モデルをデータベースとして生成します。つまり、モデルを3次元空間のあらゆる位置・角度から見たときの2次元の形状を事前にモデル生成し(数百から数千モデルに及ぶ)、検査画像を取得するとデータベースのどの形状とベストフィットするかをサーチします。これにより1台のカメラで物体の位置・姿勢が取得できるようになります。この技術は長年にわたって研究がなされてきましたが、処理速度が大きな課題でした。HALCONの3次元マッチングは内部の最適化により、高い精度を保ちながらSXGA画像(1280×1024)でフルサーチして300msという速度を実現しました。
HALCONはマシンビジョンライブラリーとして3次元処理機能を標準で提供する唯一の製品です。3次元処理だけを提供する専用のソフトウエアは市場にいくつか存在しますが、2次元を専門とするマシンビジョンの製品が3次元処理を提供するのはHALCONの特色です。3次元の情報を精度よく取得するには、その計算過程で利用する2次元画像のエッジ情報などを精度よく取得する技術が極めて重要であり、HALCONはその点が他の3次元製品の追随を許さない要因です。古くからHALCONは3次元機能に開発投資を注いでおり、3次元マッチングの他にも、2台のカメラにより形状を取得するステレオビジョン、ロボット上にマウントしたカメラとの相対位置を補正するハンドアイキャリブレーション、カメラの高さを変化させて焦点が合っている領域だけを抽出することで3次元形状を得るDepth from Focus機能と、数多くの3次元機能をHALCONの標準機能として搭載し続けてきました。


スピードアップ

マシンビジョンシステムに常に要求され続ける課題に処理時間の短縮が挙げられます。画像処理を付加価値とする装置にとって、高精度な処理が実現できる機能性と同等に、タクトタイムをどれだけ短縮できるかが製品の明暗を分けます。私どもはHALCONの各関数のスピードアップに膨大な工数を費やし、この度HALCON 8.0ではメモリ管理手法の効率化や、MMXおよびSSE2の採用により飛躍的な速度向上を実現しました。その割合は関数に依存しますが、最大500%、平均25%の高速化がなされています。 すでにHALCON 8.0を実際に装置へ組み込んで評価されたユーザ様の生の声を以下にご紹介します。

■ 製造装置メーカー「さっそくですが、一次評価が終わりました。すごい!です。実際のアプリケーションにおいて、同一条件にてのHALCON 7.1とHALCON 8.0の相対速度比較を行ったところ、23%(最小)〜32%(最大)、平均27%の速度向上が得られました。これは、仮に今まで30秒のタクトがかかっていたものが、20秒強に短縮されることを意味します。これは、使うしかありません。」


パターンマッチング

2次元におけるパターンマッチングも着実に進化を遂げています。以下にHALCON 8.0でサポートされた2次元パターンマッチングの新機能をご紹介します。

カラーマッチング

近年のカラーカメラの普及により、カラー画像に対してパターンマッチングを行いたいという 要求が増えてきました。従来であればRGBの各画像に個別にマッチングをかける必要がありましたが、 HALCON 8.0ではRGB画像に存在するすべてのエッジに対してマッチングをかけることができるようになりました。


縦・横スケーリング

従来のパターンマッチングではスケーリングの設定は360度全体に対して一律にしか変化させられませんでした。正方形をモデル登録すると正方形のまま膨張収縮するものしか見つけられず、例えば横方向だけに膨らんだ長方形を見つけることはできませんでした。HALCON 8.0では、スケーリングの設定を縦方向、横方向に個別に指定することができるようになりました。


高ビット画像

近年の高ビットカメラ(10,12,16ビット)の普及により、パターンマッチングを10,12,16ビット画像に対して適応したいという要求が増えてきました。従来であれば、高ビットの画像を8ビットにスケールダウンしてからマッチングしていたのですが、それを高ビット画像のままマッチングできるようになりました。

正規化相互相関

HALCONはこれまでエッジ情報を用いた形状ベースパターンマッチングを最も強力なサーチ機能として進化させて参りました。しかし、一定の条件(ピントのボケ、形状の変化など)においてはパラメータの設定が困難となるため、正規化相互相関をサポートすることになりました。HALCON 8.0の正規化相互相関は、360度回転サーチを可能とすること、そしてサーチ時間が極めて速いのが特徴です。 すでにHALCON 8.0を実際に装置へ組み込んで評価されたユーザ様の生の声を以下にご紹介します。


■ 製造装置メーカー 「立体形状をサーチする際にエッジがなかなか出てこなかったため苦労していましたが、HALCON 8.0で入った正規化相互相関を使うことで解決しました。この正規化相互相関は予想以上に速度が早く、驚いています。」

文字認識:OCR

文字認識の分類エンジンとしてサポートベクターマシン(SVM)をサポートしました。SVMを活用することにより、文字の認識精度を従来より向上させることができ、MNIST標準規格に定められた画像の文字を認識させると、0.65%の誤認識率という驚異的な数字を実現しました。また、更なるSVMの特徴としては、フォントのトレーニングを後で追加で実施することが可能となります。その他にも、従来面倒だった文字領域の抽出が、直感的な手法にて実現できるようになりました。

※ MNIST: http://yann.lecun.com/exdb/mnist/


データコード:印字品質

2次元データコードの追加機能として、印字の品質を検査することができるようになりました。品質基準 ISO/IEC 15415に準拠しており、ECC200, QRコード, PDF417に対応しています。ランクは高品質のグレード4から、最低のグレード0までで分類されます。


分散モデルの機能拡張

分散モデル(Variation Model)は、印字検査のアプリケーションを中心に広く活用されている機能です。文字の印刷や回路パターンの短絡・ショートを検出する際、良品サンプルとの画像差分では判断が厳しくなり過ぎます。それを、ある程度の許容を持たせるべく良品画像を複数トレーニングすることで、分散モデルを作成します。近年の、特にラインセンサーによる画像サイズの増大により、分散モデルを1枚の画像から取得したり、トレーニングが終了したら再度トレーニングは行わないので使用したトレーニング画像を開放する、などメモリ管理を中心とした追加機能を豊富に揃えました。また、分散モデルに対して明るい欠陥と暗い欠陥を区別して抽出できるようになりました。


四角形計測(近似)

従来のHALCONではエッジデータ(XLD)から、円・楕円・直線で近似して計測を行う機能は提供されていました。今回のHALCON 8.0では新しく四角形への近似が可能となり、四角形成分を持つ対象物の計測がより高精度・高速・簡易に実現できるようになりました。特に半導体のパッド面積の計測などに効果を発揮します。


四角形成分からの3次元計測

1台のカメラから対象物の3次元位置・姿勢を求める手法として、3次元パターンマッチングを上記にて紹介しました。これに代わる手法として、対象物に四角形の形状があり、事前にその寸法がわかっている場合は、その情報を用いて3次元の位置・姿勢を求めることができます。というのも、位置が遠くなれば縦横比が等しいまま小さくなるし、右に傾けば台形となりその上辺と下辺の割合から傾きが求まります。HALCON 7.1ではこれを円成分で実現しましたが、今回は四角形成分で実現しました。


オプティカルフロー

時間軸が異なる2枚の画像から移動体(領域)を抽出するオプティカルフローは、すでに従来からHALCONでサポートされていました。しかし、今回のHALCON 8.0ではそれをより高速に実現できるようになりました。また、移動成分を表現するベクトルも、ピクセル精度からサブピクセル精度に拡張されました。


日本語オンラインドキュメント

HALCON 8.0でサポートされている全関数のオンラインドキュメントがすべて日本語化されました。HALCON 8.0.1にマイナーバージョンアップしていただくことでご利用いただけます。HALCON 8.0.1ダウンロードページはこちら


HALCON 7.1の新機能はこちらよりご確認ください。


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