LinX Express Vol.216-3

※LinX Express は、日頃お付き合い頂いているお客様、展示会やセミナー等でお名刺を戴いた方、また、雑誌やホームページから引合を戴いた事のあるお客様へ配信させて戴いております。

 
 
2015新春特別対談 FA技術の将来像


このページは新春特別対談記事の3ページ目です。1ページ目からご覧ください。

(続き)

足立:  3Dは増えていますね。日本でもよく見かけました。

村上:  増えましたね。ドイツではタイムオブフライト(TOF)カメラの展示が多くみられました。タイムオブフライトはFAに限らず、その適応用途は屋外にまで広がります。

たとえば駅のホームドアで、人が落ちたのか、ボールが落ちたのか、 一点の三次元センサーでは見分けられないけど、面で三次元情報を 返すタイムオブフライトであれば見分けられる。

たとえば牛の搾乳 の分野では、牛はただ搾乳ロボット施設の中に立っているだけで、 時間になるとタイムオブフライトが自動的に牛の乳房の位置を検出し、 そこに搾乳機を移動させて搾乳するということが実用化されていますね。


TOFの用途は、FAに限らず 駅のホームドア、牛の搾乳機など 多岐にわたる

 
 
3次元処理はどうやって他社と差別化する?

足立:  コアの技術は同じだと思うのですが、どのあたりで差別化しているものなのでしょうか?

村上:  三次元入力デバイスの性能は、基本的には視野を広げるのも高速化するのもハードの基礎コンポーネントの技術革新が求められます。光切断法も、縞投影法も、タイムオブフライトも、着実に進化を続けているのですが、大きな技術革新がもう何度か起こることに期待しています。そういった意味では、三次元入力デバイスとしての差別化は、最近では少し横並び状態になってきているように見受けられます。

足立:  抜け出す所としては?

村上:  一つのポイントとしてはソフトウェア処理があると思います。3次元データをどう処理するか、です。  

足立:  3次元は差別化が難しそうですね。

村上:  御社にとっても、ですか?

足立:  いえ、弊社が行う差別化としては、独自ソフトウェアの中で同じように一体で使える、他社とは違う 高速処理のアルゴリズムを使うというところ。結果としては同じでも、処理速度がグンと早くなるようなアルゴリズムを開発すれば差別化につながると思っています。3Dは計算処理に時間がかかるものなので、そこをいかに早く作るか、ということだと思います。

計算方法をデバイス化してしまう、ハードウェアで処理してしまうのも手だとは思いますが、 ここはソフトウェアで高速のアルゴリズムを作るという方法を取っています。そうでないと、 デジタルカメラのように、どのメーカが作っても精度も値段もほとんど一緒ということになってしまう。

村上:  そうですね、3次元入力デバイスでもその傾向はあると思います。

足立:  高速処理、あとは使いやすさ、という問題もあります。大きさと、ビジュアル化の方法が、これが正解なのかどうかがまだ不透明ですから。

村上:  簡単なマウス動作だけで完結できるようになったらすごいですね。

足立:  ソフト・ハード一体型の弊社製品、VTV-9000では、3次元はみな、カメラと同じように、入力デバイスとして扱いとしたいと考えています。3次元を扱うことのできるソフトウェアはひとつで、入力デバイスとして3次元装置を使えるようになれば、と。カメラと同じように、結果としては3次元のデータが入って来るようになるけれど、ソフトウェアでの処理は同じように、というものです。そうなれば、光切断であろうと縞投影であろうと、使い勝手の面で変わることはないですから。こうした点が、開発の必要がないオールインワン製品の良さだと思っています。

村上:  なるほど。三次元計測手法として、光切断、縞投影、タイムオブフライト(TOF)が有名ですけど、 その他にも・・・

 

 

※LinX Express 配信の中止・アドレスの変更をご希望の方は、お手数ですが右の「ご登録内容変更」よりお問い合わせください。